icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina23巻13号

1986年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 図解 診療基本手技 Ⅰ 病歴のとり方

5.病歴のとり方の具体例—腹痛

著者: 木戸友幸1

所属機関: 1国立大阪病院・内科

ページ範囲:P.2200 - P.2202

文献購入ページに移動
 腹痛は,医師を訪れる際の主訴のうちで,最も多いものの一つである.また,その原因は,千差万別であり,緊急処置(主に外科的)が必要な急性腹症の場合もありうる.この急性腹症に対し,原因を明確にする前に,対症的に鎮痛剤—特に麻薬系—を与えることは,かえって原因治療の時期の判断を誤らせ,悲劇を招くことになる.
 したがって,確実な方法は,詳細かつ迅速な病歴をとり,その後,あるいは同時に,同様の診察をすることである.これにより,診断の焦点がかなり定まり,処置あるいは検査の方針が決定できる.こう書くと,痛みに苦しむ患者を前にして,いくつもの質問をしているというイメージを持たれるむきもあろうが,実際には,診察を同時に行いながら,的確な質問をすれば,この経過が5分をこえることはまれである.しかし,このためには,必要な質問事項と可能性のある疾患のリストを頭の中に整理して入れておかねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?