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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻13号

1986年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 図解 診療基本手技 Ⅳ 診療手技 A 注射法と輸血・輸液

57.輸液

著者: 和田孝雄1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部・腎臓センター

ページ範囲:P.2406 - P.2409

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患者へのアプローチ
 図1に示すように,われわれは来院時に患者のhistoryを聞きだすことによって,現時点にいたるまでのバランス状態を知ろうとする.これは出納簿の収支計算にあたる.しかしその計算の裏付けとして,手元にある現金の状態も把握しておく必要がある.この現金勘定にあたるものが身体所見(status presens)である.この両者は家計簿においては完全に一致することが要求されるが,診療行為ではなかなか完全にはいかない.そこに臨床家の勘といったものが入ってくるのである.
 入院治療が開始されると,バランスシートによって収支計算がより正確に行われるが,これのみに頼りすぎて失敗することがよくある.これは現金勘定を無視したための失敗である.身体所見だけでなく,血液その他の検査所見も現金勘定のほうに入る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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