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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻13号

1986年12月発行

文献概要

臨時増刊特集 図解 診療基本手技 Ⅳ 診療手技 E 外科的治療法

80.局所浸潤麻酔法

著者: 梅山孝江1 稲田豊1

所属機関: 1東京大学医学部・麻酔科

ページ範囲:P.2490 - P.2494

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 局所浸潤麻酔法は,局麻薬を皮内や皮下に注射することにより手術部位を含む周囲組織の知覚神経の小末梢枝をブロックする方法である.これには,手術部位を囲むように局麻薬を浸潤させる周囲浸潤麻酔法(Field block)も含まれる.現在臨床上,浸潤麻酔によく使用されるのは,プロカイン,リドカイン,メピバカインである.これらの方法は,局所的,選択的であるため,麻酔された身体部位以外には影響はないので,患者の生命の危険性はほとんどない.しかし,局麻薬の使用にあたっては,効力,毒性,使用濃度,極量,組織浸透性,作用発現および作用持続時間,局所および全身の中毒性を考慮しなければならない(表1).また,中毒反応を引き起こす血中濃度は個体差が大きい.おそらく,血中ならびに細胞内のpHの違いによる局麻薬の解離の差や,血漿蛋白との結合の多少によるものと考えられる.したがって極量値は,あくまでも目安とすべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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