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雑誌目次

雑誌文献

medicina23巻2号

1986年02月発行

雑誌目次

今月の主題 止血機構とその異常

理解のための10題

ページ範囲:P.310 - P.312

トピックス

プロテインC,トロンボモジュリンによる凝固制御

著者: 鈴木宏治

ページ範囲:P.200 - P.203

 試験管内の血液凝固では,大部分のプロトロンビンが,またフィブリノゲンはすべてが消費される.しかし血管内では,内壁に備わった少なくとも2つの機構により凝固は制御調節されている.1つは,血管内皮細胞上のヘパリン様物質を介するプロテアーゼ阻害因子,アンチトロンビンIII(AT III)によるトロンビンやXa因子の阻害反応であり,もう1つは内皮細胞上のトロンボモジュリンを介して活性化されるプロテアーゼの,プロテインCおよびその補助因子のプロテインSによる凝固阻害反応である.本稿では,プロテインCおよびトロンボモジュリンによる凝固制御とその臨床的意義について解説する.

線溶機構とその先天異常

著者: 坂田洋一

ページ範囲:P.204 - P.206

 最近食生活が欧米化してくるに伴い,日本でも脳血栓,心筋梗塞をはじめとする血栓症の患者が増加傾向にある.生理的にも,たとえば外傷に伴う出血を防ぐために生体は止血栓を作る.後者の場合も最初は失血を防ぐために止血栓は重要な役割を果たすが,あまり長期に存在すると組織に虚血変化をきたすことになる.生体はこれを調節するために,網内系細胞による貪食と,主としてプラスミノゲン(Pg),プラスミン(Pm)系を介する線溶機構を持っている.

遺伝子工学と凝固因子

著者: 谷本光音 ,   斎藤英彦

ページ範囲:P.208 - P.211

 近年の分子生物学のめざましい進歩により,各種細胞産物(酵素,ホルモン,ヘモグロビン,組織適合性抗原,免疫グロブリン,免疫応答リセプターなど)の支配遺伝子の一部またはすべての構造が明らかになり,これら産物の異常により引き起こされる疾患の解明が遺伝子レベルで行われはじめている.
 一方,血友病を代表とする先天性凝固異常症の病態解析においても,その正常遺伝子がクローン化されはじめたことにより,これまでの蛋白レベルでの検討とともに,構造遺伝子の異常が解明されようとしている.また,とくに血友病遺伝子のクローン化は,これを用いた組み換え体による凝固因子の大量試験管内産生とその臨床利用の可能性を大きく拡げている.

血管内皮下組織への血小板粘着機序

著者: 池田康夫

ページ範囲:P.212 - P.214

 血管内面は一層の血管内皮細胞で被われているが,血小板は損傷を受けていない内皮細胞には粘着することはない.血小板がなぜ内皮細胞に粘着しないのか,その理由は明らかではないが,血管内で血液がスムーズに流れている事実を考える上に非常に重要なことである.いったん血管が損傷され,血管内皮下組織が露出したり,血管壁に何らかの病変が生じたりした場合には,血小板は血管壁に粘着し,止血血栓や病的血栓が作られるようになる.前者は止血機構,後者は動脈血栓症の発症においてそれぞれ中心的な役割を演ずる重要な生体反応である.ここでは,血管損傷時の止血機序を血小板の内皮下組織への粘着という立場から解説したい.

血管内皮細胞と止血機構

著者: 井川武洋

ページ範囲:P.216 - P.217

 血管を構成する細胞,とりわけ内皮細胞の分類・培養技術の進展,普及により,この細胞のもつ抗血栓性ばかりでなく止血機構に対する作用も分子レベルで次第に明らかになりつつある.血液成分の中でも,血小板は凝固系因子の貯蔵,放出あるいは反応の場として,止血機構におけるその重要性が認識されているが,内皮細胞に関する知見は未だ十分わかっているとは言えない.本稿では,止血機構における内皮細胞の役割について,最近のトピックス的な部分を紹介したい.

出血性疾患の臨床;病態とその診断

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

著者: 村上博

ページ範囲:P.218 - P.221

 特発性血小板減少性紫斑病(Idiopathic Throm-bocytopenic Purpura;ITP)の病態については未だ不明な点も少なくないが,最近の種々の免疫学的検索はITPをimmune thrombocytopeniaの1つとして位置づけ,pathogenesisは何らかの原因で産生された免疫グロブリンが血小板膜に特異的に結合し,そのために網内系への免疫グロブリンを介しての取り込みが増大し,破壊亢進による血小板減少が生ずるとしている.表1にimmunethrombocytopeniaの各種疾患を示した.

先天性血小板機能異常症

著者: 田上憲次郎

ページ範囲:P.222 - P.223

 止血機構における血小板の機能とは,結局のところ血小板と血管壁との相互作用において発現されるものであるが,最近の研究の進歩によってこのような血小板機能の発現のためには,血管壁あるいは血漿中に存在する高分子量の蛋白(糖蛋白)を結合する血小板膜表面のレセプターが不可欠であり,これらが決定的な役割を果たしていることが解明されてきた.このような糖蛋白とレセプター(これも実は糖蛋白であるが)との間はcontact interactionと呼ばれるようになったが,内因系凝固過程でもやはり異物とのcontactによって最初のcontact phaseの引金が引かれるのと似た発想である.このcontact interactionの具体的な形成としては,①血管の内皮下組織への血小板の粘着(Adhesion),②血小板相互の粘着としての凝集(Aggregation),③(血小板から成る1次性hemostatic plugを強固にするために必須である)fibrin networkを形成するための血小板表面におけるトロンビンの産生,の3者があげられる.

von Willebrand病

著者: 吉岡章

ページ範囲:P.224 - P.226

 von Willebrand病(vWD)は遺伝性,出血症状などの臨床的観点のみならず,本症で欠陥のある血漿第VIII因子/von Willebrand因子(F. VIII/vWF)に関する凝血学的,生化学的,免疫学的観点からも著しく多様性に富む疾患であることが判明し,その病態も次第に明らかになりつつある1)

血友病

著者: 風間睦美

ページ範囲:P.228 - P.230

血友病の病態
 血友病なる病名は先天性第Ⅷ因子欠乏症(A),および第IX因子欠乏症(B)に与えられており,血友病C(第XI因子欠乏症)やパラ血友病(第V因子欠乏症)なる語は現在は用いられない.血友病の発生頻度は全世界ほぼ同程度とされ,モデル県の成績に基づく推計によれば,わが国での血友病Aの頻度は人口10万人当り7人で,血友病Bはその1/5とされる.遺伝形式が劣性伴性であることは周知であるが,症例の30〜40%は孤発例である1)
 初発出血症状は乳・幼児期には皮下,鼻,歯肉などの出血で,学童期になると関節や筋肉の出血が増加する.部位別にみると四肢の大関節出血が多い.関節は日常生活で機械的刺激が非常に加わる器官であり,また関節滑膜は血管に富み,出血しやすい.関節に次いで筋肉や皮下の出血が多い.関節や筋肉内の出血が始まると,ごく初期には局所のこわばり感や運動制限感が現われるが,この時期に補充療法を行うことがきわめて重要である.

循環抗凝固物質

著者: 山田兼雄

ページ範囲:P.232 - P.233

循環抗凝固物質の概要1)
 循環抗凝固物質とは,後天的に凝固因子に対する阻止物質が血流中に現われてるものをいう1).先天性凝固因子欠乏症で凝固因子製剤の輸注療法を行っている間に出現する阻止物質もこれらの中に含まれるが,循環抗凝固物質というと,先天性止血異常症でない患者に発生する場合が中心となってくる.
 概要を表11)に示した.

フィブリノゲンの分子異常

著者: 松田道生

ページ範囲:P.234 - P.236

 遺伝子的変異によるフィブリノゲン(Fbg)分子異常の分析は,Fbgの一次構造の解明と近年汎用されている高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の応用によって最近目ざましく発展した.また臨床面でも,Fbgの定量にトロンビン時間を応用するClauss法が広く採用されるようになって,新しい症例が本邦でも相次いで見出されている.
 本稿では異常Fbgに関して最近得られた情報を小括してお伝えすることにしたい.

薬剤起因性の出血傾向

著者: 久米章司 ,   田部章 ,   東原正明

ページ範囲:P.238 - P.240

 臨床的に使用されている種々の薬剤によって,かなりの頻度に止血異常がもたらされることはよく知られている.しかし薬剤起因性の出血による症状は軽度で一過性で,ときには見過されることも多い.さらに臨床的に止血異常が明らかになっても,大抵の患者は複数の薬剤の投与を受けていて,いずれが原因薬剤であるか不明である場合も少なくない.また臨床症状を呈さない軽度の止血異常を有する患者への薬剤の投与が,明らかな出血を誘発することもある.さらに抗凝固療法施行中の患者への他薬剤の投与が,抗凝固剤の代謝に変化をもたらし,出血傾向をきたすこともある.このように薬剤誘起性の出血傾向は,注意すればかなりの数にみられるが,正確なこの頻度は不明1)というほかはない.本稿では薬剤起因性の出血傾向について,凝固および血小板系における問題について簡単にふれてみたい.

ビタミンK欠乏症

著者: 白幡聡 ,   朝倉昭雄 ,   中村外士雄

ページ範囲:P.242 - P.244

成因と病態
 新生児一次性出血症(新生児出血症)
 主として生後2〜4日目の新生児にみられる出血症で,ヒトで最初に明らかにされたビタミンK欠乏症である.出血部位は,消化管と皮膚,可視粘膜が大部分を占める.随伴症状を伴わない正期産児での発現頻度は0.05〜0.5%であるが,ハイリスク新生児では5%近くに達する.とくに授乳量が不足している新生児に発症しやすい.新生児がビタミンK欠乏に陥りやすい原因として,(1)ビタミンKは胎盤移行が非常に少ない,(2)腸内細菌叢が形成途上にあり,腸内細菌由来のビタミンK2の供給が少ない,(3)乳汁中のビタミンK含量は他の食品に比べて少ない,ことを筆者らは実証した1).とくに母乳栄養児では,(1)母乳中のビタミンK含量が調整粉乳に比べて少ないこと,(2)出生後数日間の授乳量が人工栄養児に比べて少ない傾向にあることから,中等症〜重症のビタミンK欠乏性出血症が人工栄養児の15〜20倍の頻度でみられる.

全身性疾患と出血傾向

著者: 小林紀夫

ページ範囲:P.246 - P.248

 日常の診療で最も多くみられる出血傾向は後天性のそれである.表1に出血傾向を伴うことの多い諸疾患または病態を示した1).出血の原因はいずれも血管,血小板あるいは凝固系の異常によるが,全身性疾患による出血傾向は複数の原因が関与している場合が多い.これら諸疾患のうち代表的なものは,本特集で他の著者により述べられているので,本稿では症例の比較的多くみられる造血器疾患,肝疾患および尿毒症患者にみられる出血傾向につき解説したい.

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

著者: 久住静代 ,   高松弓子 ,   岩戸康治 ,   藤村欣吾 ,   蔵本淳

ページ範囲:P.250 - P.251

概念
 血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic throm-bocytopenic purpura;TTP)は,1924年Mosch-covitzにより最初に報告された症候群で,臨床的には溶血性貧血,血小板減少症,神経症状の3主徴あるいはさらに発熱,腎障害を加えて5主徴を認める.一方,病巣部の組織学的所見として,エオジン好性,PAS染色陽性の硝子様物質が,心,脳,腎を主体とした広範な組織の細動脈に沈着するのを病理学的特徴1)とし,本邦でもすでに100例近く報告されている.

出血・凝固検査

止血異常診断の手順

著者: 渡辺清明

ページ範囲:P.252 - P.257

 止血異常の診断で重要なのは家族歴,現病歴の聴取と身体所見の把握である.しかし,最終的確定診断に至るには止血機構の検査が必要である.とくに多岐複雑な止血障害を的確に把えるには,①どの方向に検査を進めるかを決めるスクリーニング検査と,②さらに詳細な診断を行うための特殊検査を行わねばならない.ここでは,臨床的に止血異常を示唆された患者に対して,どのような手順で検査を行い,診断に導くかについて概説する.

von Willebrand因子multimerの分析

著者: 山本美保子

ページ範囲:P.258 - P.260

 von Willebrand病(vWD)は,血漿von Willebrand因子(vWF)の量的または質的な異常を認める疾患である.vWDの多くは先天性の疾患であるが,ときには後天的にも出現する.
 現在,先天性vWDは大きく5種類のサブタイプに分類されているが,そのタイプの決定に最も重要なものは,SDSアガロースゲル電気泳動によるvWFのmultimeric structure(高分子組成)と,そのtripletstructure(三重分子構造)の解析である.

合成基質による凝固プロテアーゼの測定法

著者: 川畑俊一郎 ,   岩永貞昭

ページ範囲:P.261 - P.263

 血液凝固プロテアーゼは,そのほとんどが酵素活性を示さないチモーゲンとして存在するが,出血などの異常時に次々と活性化され,凝固反応を開始する.これらプロテアーゼの活性は,従来から凝固因子の欠損血漿を使用し,フィブリンクロットの形成時間を指標として測定されてきたが,簡便さや精度,感度の点から,今日ではペプチド合成基質が広く用いられるようになった.
 凝固プロテアーゼは,すべてセリン残基を活性中心にもつ,いわゆるセリンプロテアーゼの一種であり,トリプシンと同様に,P1サイトにArgやLys残基を含む-P3-P2-Arg-↓P′1の結合に高い親和性を示す.しかし,凝固プロテアーゼの作用特異性は非常に高く,特定の-Arg-P′1-結合を切断する点で消化性のトリプシンとは異なる.また,切断周辺のP2,P3サイトのアミノ酸残基の影響を強く受ける.すなわち,凝固プロテアーゼの高い基質特異性は,各酵素がP1サイトだけでなく,その周辺のアミノ酸残基をも厳密に認識していることを示唆する.ペプチド合成基質は,こうした凝固プロテアーゼの基質認識の多様性をもとに開発されてきた.それゆえに,プペチド基質は,天然基質の切断部位のアミノ酸配列を基礎に合成されることが多い.Pサイトの数を増すほど特異性の高い基質になる可能性はあるが,合成上の制約や溶解度,安定性などを考慮して,主にトリペプチド基質が用いられてきた.

治療の進歩

von Willebrand病のDDAVP療法

著者: 高橋芳右

ページ範囲:P.264 - P.267

DDAVPの薬理作用
 DDAVP(1-deamino-8-D-arginine vasopressin,desmopressin)は天然のarginine vasopressinの誘導体で,向血管作用(昇圧作用)がほとんどない状態で,強力な抗利尿作用を有し,尿崩症の治療に広く用いられている.DDAVPは同時に生体の貯蔵部位(血管内皮細胞など)からの放出により,組織プラスミノゲン・アクチベーターとともにvon Willebrand因子抗原(vWF:Ag),リストセチン・コファクター(RCof),第VIII因子活性(F. Ⅷ:C),第Ⅷ因子抗原(F. Ⅷ:Ag)の血中濃度を上昇させるので,血友病A,von Wille-brand病(vWD),尿毒症などの止血管理にも用いられている.またDDAVP投与後には,通常血漿中に存在するvon Willebrand因子(vWF)よりも高分子のlarger multimerも出現する.

血友病インヒビターのバイパス療法

著者: 藤巻道男 ,   依藤寿

ページ範囲:P.268 - P.271

 血友病Aあるいは血友病Bに対する補充療法の経過中に,Ⅷ因子あるいはIX因子に対するインヒビターの発生することがある.血友病Aでは5〜10%に血友病Bでは1〜3%にみられると考えられている.そのインヒビターの発生機序は不明であるが,インヒビターのほとんどすべてはIgGに属し,多くはheterogeneityであり常に単一なlight鎖型と,しばしば単一なIgG亜型がみられる.
 インヒビター発生患者には2つの型があり,血友病ではⅧ因子またはIX因子製剤の輸注によりインヒビター力価の上昇の少ないlow responderと,上昇の高いhigh responderとがある.lowresponderは最大のインヒビター力価が2〜3B.U/mlであり,インヒビター患者の約20%にみられている.またhigh responderは製剤の輸注により既往免疫反応anamnestic responseにより,10B.U/ml以上に上昇し,インヒビター患者の約50〜60%にみられている.この2つの型に入らない,その他のインヒビター患者もある.

DIC;治療の動向

著者: 松田保 ,   坂井誠

ページ範囲:P.272 - P.275

 DIC(disseminated intravascular coagulation)は,さまざまの原因によって全身の主として細小血管内に血栓の多発をきたし,このため血小板や凝固因子が血栓を生ずる過程で消費されて低下し,このためその本態が極端な凝固亢進状態であるにもかかわらず,出血傾向をも呈することの多い症候群である.DICが臨床各科領域において注目されるようになってから十数年にもなるが,依然としてDICは治療の最も困難な症候群の一つである.本稿では,現時点におけるDICの治療上の諸問題について簡単に述べることとする.

特発性血小板減少性紫斑病(ITP);治療の動向

著者: 野村武夫

ページ範囲:P.276 - P.279

 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対する標準的な治療法は副腎皮質ステロイド投与,摘脾,および免疫抑制剤投与である.これらの治療法は歴史が長く,それぞれの適応と臨床的有用性についておおむね評価が定まっているといってよく,教科書にも記されている.ところが実際には,標準的治療のすべてに不応性もしくは不耐性を示し,血小板数を出血の危険がないレベルに維持するのが困難な場合がある.このような難治性ITPに対して試みられる治療法には表1に示したものがあり,そのなかから最近注目されているγ-グロブリン大量静注とダナゾールの2つを取り上げてみることにする.

濃縮血小板血漿製剤の保存期間の延長

著者: 神谷忠

ページ範囲:P.280 - P.282

 血小板輸注は血小板減少に伴う出血患者の止血には欠くことのできない治療法である.血友病の出血の場合には,高単位濃縮因子製剤が開発,製造されているので,いかなる場合でも止血管理を行うことができるが,血小板の場合,まだこれに代る止血法はない.最近,米国では冷凍保存血小板の臨床使用が行われるようになったが,保存手技の繁雑さや費用の問題でまだ一般的に普及するまでには至っていない.
 血小板の場合,赤血球に比べ保存による損傷を受けやすく長期間保存することが困難であること,通常の分離法では,止血に必要な血小板を確保するためには,多勢の血液型の適合した供血者を集めなければならないことなどから,フェレーシスによる血小板の分離が普及してきた.しかし,まだ現在では濃縮血小板血漿(platelet concentrate;PC)による輸注が主体である.PCの有効期限は1984年10月から採血後48時間(従来は6時間)と改定された.諸外国の状況は,米国,カナダでは20〜24℃,3〜5日,オーストラリア,フィンランドでは22℃,3日とされている.したがって,日本も欧米に近い保存期間に延長されたわけであるが,従来の感覚から採血後48時間の血小板が止血効果があるだろうかと疑問を持たれる方も少なくないと思うので,本項では保存条件の延長になった資料を中心にその理由を述べる.

外科手術における止血管理—心臓外科手術

著者: 林久恵 ,   永瀬裕三 ,   寺田正次

ページ範囲:P.284 - P.286

 心臓外科では補助手段として人工心肺装置を用いた体外循環を必要とする症例が多い.そこで,人工心肺灌流を始める前には,血液が凝固しないようにヘパリンを投与し,体外循環終了時に硫酸プロタミン液でこれを中和する必要がある.しかし,これらの薬剤を患者の体重に応じて一定量定めて注射しても,患者の状態によってその対処のしかたは異なる.患者が出血のために,ショック状態であったり,また手術を受ける患者が低酸素血症によるチアノーゼがあったりすると,術中の大量出血,輸血1,2)のためにDICを併発し,血液の凝固性がなくなり,いろいろな臓器からの出血で,患者が重篤に陥ってしまうこともある.このため術前,中,後を通じて,その管理をするわけであるが,ヘパリンを使用し,硫酸プロタミンを中和する頃よりactivated clotting time(ACT)を測定しながらコントロールを行う.術前に出血・凝固時間の延長している例はその原因を調べ,とくに血小板数の少ないものは機能検査を行い,手術前に血小板輸注ができるように準備をしておく必要がある.症例によってはdonorの選択を行って連続血液成分分離装置による血小板輸注の必要があることもある.

外科手術における止血管理—肝切除術

著者: 左近賢人 ,   上林純一 ,   姜重煕 ,   門田守人 ,   岡村純 ,   森武貞

ページ範囲:P.288 - P.291

 多くの凝固線溶系因子とインヒビターが肝で生成されている(図1).それゆえ,肝障害時には止血機能に異常が認められる.わが国の肝切除症例の大半は肝細胞癌であり,慢性肝炎,肝硬変を合併していることが多く,肝切除後に肝機能の悪化,あるいは肝不全へと移行し止血機能異常を呈することがしばしば見られる.また術前肝機能に異常が認められなくても,肝切除症例では他臓器手術と異なり,術中,術後に大量の異常出血をきたすことがあり,出血性素因の凝いがある症例(suspected potential bleeder)として対処する必要がある(表1).

輸血と成人T細胞白血病ウイルス

著者: 市丸道人

ページ範囲:P.292 - P.294

 輸血と成人T細胞白血病ウイルスというテーマは,今回企画された「止血機構とその異常」とは直接的な関わりが少ないように思われる.しかし,輸血は出血性疾患の治療として頻回に用いられる手段の一つであり,全血輸血のみならず,血小板輸血であってもリンパ球の混入する成分輸血であれば,本ウイルス(HTLV-I;human T-cell leu-kemia virus-I)の感染がこれを介して成立する可能性がある.したがって,本ウイルスの感染経路としての輸血に関する知識は必要であり,ことに本ウイルスのendemic areaでは現在,将来ともに見逃すことのできない問題であろう.本稿ではendemic areaの一つである長崎にて得られた本ウイルスと輸血との関わりについての成績を中心に述べ,輸血による感染の意義,今後の問題点などにも触れてみたい.

鼎談

出血性疾患の治療の実際

著者: 吉田信彦 ,   池松正次郎 ,   安藤泰彦

ページ範囲:P.296 - P.308

 安藤(司会) 出血性疾患というのは,血管と血小板,凝固線溶のメカニズムのどこかに異常があるために起こるわけですが,実際の臨床上の問題として重要なのは血小板減少症,とくにITP,それに凝固異常の中では先天性の凝固異常としてとくに血友病のA,Bとvon Willebrand病,後天性の凝固異常症としてDIC,あるいは肝疾患などがあげられると思われます.本日はこれらの疾患の治療について,実際にどうやっていらっしゃるのか,お話しいただきたいと思います.

カラーグラフ 皮膚病変のみかたとらえ方

内臓癌の存在を示唆する皮膚病変

著者: 石川英一 ,   大西一徳

ページ範囲:P.314 - P.315

概念
 内臓癌の存在を示唆する皮膚病変は,特異的皮膚病変と非特異的皮膚病変とに大別される.(a)特異的皮膚病変は内臓癌の皮膚転移で,したがって病変皮膚には原則として癌細胞が証明される.それに対して,(b)非特異的皮膚病変は,内臓癌との合併頻度が高い皮膚病変または皮膚疾患を言う.内臓癌と皮膚病変との関連性については,なお不明の点が多いが,定型例の場合は内臓癌の摘除により皮疹は軽快することが少なくない.したがって臨床医としては,これらの皮膚病変または疾患をみた場合,常に癌を含む内臓悪性腫瘍の存在を考慮する必要がある.

グラフ 消化管造影 基本テクニックとpitfall(対談)【新連載】

食道(1)—撮り方,正常例の読み方

著者: 山田明義 ,   西澤護

ページ範囲:P.324 - P.332

 消化管造影には広い意味で血管造影もリンパ管造影も含まれます,本欄では,その中でも最もポピュラーなバリウム造影によるX線検査につき,その造影上,読影上の基礎的なテクニック,コツとpitfallを,専門の先生をお招きして西澤 護先生と対談していただきます.消化管全領域を約2年間の予定で連載の予定です.

内科医のための骨・関節のX線診断

(2)主なX線所見の解説

著者: 水野富一

ページ範囲:P.334 - P.343

1)全身の骨陰影の減弱
 正常の骨構造と骨濃度は様々な因子によって保たれている.それらは,正常な数の骨細胞,栄養状態,内分泌のバランス,正常な神経支配と物理的刺激,および正常な肝,腎や消化管機能であり,このうちどれに異常があっても骨量の減少(骨減少症:osteopenia)が起こりうる.X線的には骨陰影の減弱が認められる.
 その主な原因として,
 骨粗鬆症(osteoporosis)
 骨軟化症(Osteomalacia)
 副甲状腺機能亢進症(hyperparathyroidism)
 がある.

演習

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.317 - P.323

—内科専門医による—実践診療EXERCISE

貧血/右胸痛

著者: 赤塚祝子

ページ範囲:P.345 - P.348

 80歳,女性,家婦.5年ほど前から歩行時息切れを認め,疲れやすくなったが年のせいかと思っていた.1週間前より排尿痛が出現,近医を受診したところ,著明な貧血を指摘されて来院した.尿所見から膀胱炎といわれ,抗生剤を投与されている.既往歴,家族歴は特記すべきことなし.
 診察:身長140cm,体重40kg.栄養良.脈拍70/分,整.血圧140/70mmHg.体温37.4℃.貧血著明,黄疸は認めず.表在リンパ節腫脹なし.肺呼吸音異常なし.心尖部にII/VIの収縮期雑音聴取.腹部平坦で肝・脾触知せず.下腿浮腫なし.深部反射やや低下.spoon nail(-).

講座 図解病態のしくみ 内分泌代謝疾患・2

クッシング病・クッシング症候群

著者: 金子健蔵 ,   斉藤寿一 ,   葛谷健

ページ範囲:P.349 - P.357

 クッシング症候群は,副腎皮質よりの糖質コルチコイド,とくにコルチゾールの過剰分泌に起因する症候群である.表1にクッシング症候群の原因を示す.わが国における医原性を除く発症頻度は,下垂体前葉の腺腫または過形成による両側副腎皮質過形成(クッシング病)が61%,副腎腺腫および癌(狭義のクッシング症候群)が,各々30%および1.4%,異所性ACTH症候群が0.7%,原因不明が7.3%である1).性差は1:3.5で女性に多い.
 クッシング症候群の原因は,当初米国の外科医Cushingが下垂体好塩基性腺腫と考えたが,副腎腫瘍でも同様の臨床所見を呈することが明らかにされた.次いでACTHのラジオイムノアッセイの確立を契機に異所性ACTH症候群の存在が実証された.さらに,近年Valeら2)によりCRF(corticotropin-releasing factor)が単離同定され,CRF産生腫瘍によるクッシング症候群が報告されるに至った.

海外留学 海外留学ガイダンス

イギリス留学とPLAB試験

著者: 大石実

ページ範囲:P.362 - P.365

イギリス
 イギリスはフランスや西ドイツと比べて生活水準が多少低く,ロンドンの空港で荷物が出てこなかったこともあって,私はイギリスに対してあまりよい印象をもっていない.しかし,イギリスは臨床面ではNational Health Serviceの制度をもち,研究面ではノーベル賞を取った学者も多く,また大英帝国の伝統もあって外国からの留学生の受け入れに寛大なので,留学するにはよい国である.

CPC

悪性リンパ腫の治療中に出現したびまん性肺病変

著者: 河端美則 ,   片桐史郎 ,   盛本正男 ,   尾形英雄 ,   徳田均 ,   木野智慧光 ,   飯塚義彦

ページ範囲:P.370 - P.377

症例
  患者:80歳,女性.
  入院理由:肺門・縦隔リンパ節腫大の精査.

診療基本手技

運動負荷心電図—とくにtreadmillについて

著者: 峯石真 ,   山科章 ,   西崎統

ページ範囲:P.358 - P.359

 近年,冠疾患の診断や心機能の評価,治療効果判定や心臓リハビリテーションの目的に運動負荷心電図が盛んに用いられるようになった.運動耐容能を評価し,かつ負荷時に生ずる心電図の変化から,安静時心電図では発見できない病変をとらえる方法である.

一冊の本

「Multiple Myeloma」—(I. Snapper et al, Grune and Stratton, New York, 1953)

著者: 高月清

ページ範囲:P.361 - P.361

 五十余年もこの世を生きて来て,やっとわかったことだが,私はどうも人並みに感激したり熱中したりすることが乏しい人生を送ってきたようである.クールというのではなくてエネルギー不足なのだろうと思う.どの本を読んでも乱読のうちの一冊として通り過ぎて行く.「この一冊」と思いをこめて書いておられる諸先生のまねは私には到底できない相談なのである.また,たとえ感銘を受けた本があったとしても,文芸書や教養書の類をこういう場で紹介するスノビズムとは無縁でありたいという気もある.だから私は内容的に感銘を受けたという意味では全然なくて,ある事情で私の手許にある一冊の本について語ることとする.
 その本というのが表題のI. Snapper et al:Multiple Myelomaである.この本は私が購入したのではないが,勝手に私の所有と決めて,今も書架にある.濃紺の布張りハードカバーの小冊子である.私は四年前まで京都大学に勤務していたが,昭和31年に京都大学ウイルス研究所が創設され,天野重安教授,東昇教授など錚々たる陣容で発足した.しかし建物はまだなく,各部門は医学部のあちこちに分散していた.そして私の後輩の一人が内科からウイルス研究所の病理部へ派遣されていたが,彼が研究室に所有者不明で誰も読みそうもない本があるといって持って来たのがこの本である.当時私は多発性骨髄腫を研究しはじめた時だったので大いに喜び,預ったのがそのまま現在に至っている.

新薬情報

サンディミュン(Sandimmun)—〔サンド薬品〕 一般名:シクロスポリン—抗ウイルス剤

著者: 水島裕

ページ範囲:P.366 - P.367

 概略 シクロスポリン(ciclosporin)は,1970年にノルウェーの土壌中から得た真菌の一種であるTolypocladium infratum Gamsの培養液中より,抗菌作用を有する代謝物として抽出された.その後,種々の実験により,本薬の抗菌作用は弱いが,強力でしかも細胞毒でない免疫抑制作用を有することが明らかになり,臓器移植の際の拒絶反応の抑制としての臨床適用が試みられ,そのすぐれた効果が実証された.また,今後各種免疫疾患に対する応用に期待がもたれている.

感染症メモ

無菌性感染性心内膜炎

著者: 袴田啓子

ページ範囲:P.368 - P.369

 無菌性感染性心内膜炎は,感染性心内膜炎(in-fective endocarditis;IE)の存在を強く疑わせる臨床症状があるが持続的に血液培養が陰性(少なくとも4本が陰性)であるものをいい,その頻度は5〜40%と報告されている.無菌性IEは診断的にも治療的にも十分な注意を要する.
 無菌性IEの原因には,表1に示した項目があげられる.最も多い原因は,不用意に投与された抗生物質と考えられる.IEを疑った場合は少なくとも2本ずつ6本の血液培養が必要であるが,2週間以内に抗生物質を使用している場合はさらに多くの培養を必要とする.この際,状態が許せば抗生物質の最終投与から24〜72時間は待って血液培養を行うべきである.他の原因としては培養困難な細菌,たとえばHemophilusによる場合がある.Hemophilusが培養された場合とされない場合では,無菌性IEの頻度がそれぞれ16.2%と23.3%であり,有意差(p<0.001)があるという報告がある.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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