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今月の主題 止血機構とその異常 トピックス
血管内皮下組織への血小板粘着機序
著者: 池田康夫1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部・輸血センター
ページ範囲:P.212 - P.214
文献購入ページに移動 血管内面は一層の血管内皮細胞で被われているが,血小板は損傷を受けていない内皮細胞には粘着することはない.血小板がなぜ内皮細胞に粘着しないのか,その理由は明らかではないが,血管内で血液がスムーズに流れている事実を考える上に非常に重要なことである.いったん血管が損傷され,血管内皮下組織が露出したり,血管壁に何らかの病変が生じたりした場合には,血小板は血管壁に粘着し,止血血栓や病的血栓が作られるようになる.前者は止血機構,後者は動脈血栓症の発症においてそれぞれ中心的な役割を演ずる重要な生体反応である.ここでは,血管損傷時の止血機序を血小板の内皮下組織への粘着という立場から解説したい.
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