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今月の主題 止血機構とその異常 出血性疾患の臨床;病態とその診断
先天性血小板機能異常症
著者: 田上憲次郎1
所属機関: 1東京都臨床医学総合研究所・循環器病部
ページ範囲:P.222 - P.223
文献購入ページに移動 止血機構における血小板の機能とは,結局のところ血小板と血管壁との相互作用において発現されるものであるが,最近の研究の進歩によってこのような血小板機能の発現のためには,血管壁あるいは血漿中に存在する高分子量の蛋白(糖蛋白)を結合する血小板膜表面のレセプターが不可欠であり,これらが決定的な役割を果たしていることが解明されてきた.このような糖蛋白とレセプター(これも実は糖蛋白であるが)との間はcontact interactionと呼ばれるようになったが,内因系凝固過程でもやはり異物とのcontactによって最初のcontact phaseの引金が引かれるのと似た発想である.このcontact interactionの具体的な形成としては,①血管の内皮下組織への血小板の粘着(Adhesion),②血小板相互の粘着としての凝集(Aggregation),③(血小板から成る1次性hemostatic plugを強固にするために必須である)fibrin networkを形成するための血小板表面におけるトロンビンの産生,の3者があげられる.
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