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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻2号

1986年02月発行

文献概要

今月の主題 止血機構とその異常 出血性疾患の臨床;病態とその診断

血友病

著者: 風間睦美12

所属機関: 1帝京大学医学部・第1内科 2帝京大学薬学部・臨床生化学

ページ範囲:P.228 - P.230

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血友病の病態
 血友病なる病名は先天性第Ⅷ因子欠乏症(A),および第IX因子欠乏症(B)に与えられており,血友病C(第XI因子欠乏症)やパラ血友病(第V因子欠乏症)なる語は現在は用いられない.血友病の発生頻度は全世界ほぼ同程度とされ,モデル県の成績に基づく推計によれば,わが国での血友病Aの頻度は人口10万人当り7人で,血友病Bはその1/5とされる.遺伝形式が劣性伴性であることは周知であるが,症例の30〜40%は孤発例である1)
 初発出血症状は乳・幼児期には皮下,鼻,歯肉などの出血で,学童期になると関節や筋肉の出血が増加する.部位別にみると四肢の大関節出血が多い.関節は日常生活で機械的刺激が非常に加わる器官であり,また関節滑膜は血管に富み,出血しやすい.関節に次いで筋肉や皮下の出血が多い.関節や筋肉内の出血が始まると,ごく初期には局所のこわばり感や運動制限感が現われるが,この時期に補充療法を行うことがきわめて重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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