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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻2号

1986年02月発行

文献概要

講座 図解病態のしくみ 内分泌代謝疾患・2

クッシング病・クッシング症候群

著者: 金子健蔵1 斉藤寿一1 葛谷健1

所属機関: 1自治医科大学・内分泌代謝科

ページ範囲:P.349 - P.357

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 クッシング症候群は,副腎皮質よりの糖質コルチコイド,とくにコルチゾールの過剰分泌に起因する症候群である.表1にクッシング症候群の原因を示す.わが国における医原性を除く発症頻度は,下垂体前葉の腺腫または過形成による両側副腎皮質過形成(クッシング病)が61%,副腎腺腫および癌(狭義のクッシング症候群)が,各々30%および1.4%,異所性ACTH症候群が0.7%,原因不明が7.3%である1).性差は1:3.5で女性に多い.
 クッシング症候群の原因は,当初米国の外科医Cushingが下垂体好塩基性腺腫と考えたが,副腎腫瘍でも同様の臨床所見を呈することが明らかにされた.次いでACTHのラジオイムノアッセイの確立を契機に異所性ACTH症候群の存在が実証された.さらに,近年Valeら2)によりCRF(corticotropin-releasing factor)が単離同定され,CRF産生腫瘍によるクッシング症候群が報告されるに至った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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