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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻2号

1986年02月発行

文献概要

感染症メモ

無菌性感染性心内膜炎

著者: 袴田啓子1

所属機関: 1東京都済生会中央病院・内科

ページ範囲:P.368 - P.369

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 無菌性感染性心内膜炎は,感染性心内膜炎(in-fective endocarditis;IE)の存在を強く疑わせる臨床症状があるが持続的に血液培養が陰性(少なくとも4本が陰性)であるものをいい,その頻度は5〜40%と報告されている.無菌性IEは診断的にも治療的にも十分な注意を要する.
 無菌性IEの原因には,表1に示した項目があげられる.最も多い原因は,不用意に投与された抗生物質と考えられる.IEを疑った場合は少なくとも2本ずつ6本の血液培養が必要であるが,2週間以内に抗生物質を使用している場合はさらに多くの培養を必要とする.この際,状態が許せば抗生物質の最終投与から24〜72時間は待って血液培養を行うべきである.他の原因としては培養困難な細菌,たとえばHemophilusによる場合がある.Hemophilusが培養された場合とされない場合では,無菌性IEの頻度がそれぞれ16.2%と23.3%であり,有意差(p<0.001)があるという報告がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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