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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻4号

1986年04月発行

文献概要

今月の主題 消化器薬の使い方 消化性潰瘍

ProstaglandinとCytoprotection

著者: 小林絢三1

所属機関: 1大阪市立大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.570 - P.571

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 胃粘膜には,さまざまな傷害因子,すなわち,自らが産生する胃酸,ペプシン,また,十二指腸からの胆汁の逆流,さらには,種々の温度,pHをもつ食餌(微生物),アルコール,薬物などからそれを保護し,その恒常性を保とうとする機構がある.これらの傷害因子に対して粘膜が抵抗できなければ,急性あるいは慢性のびらんならびに潰瘍性病変が発生する.これに対して,制酸剤ならびに酸分泌抑制剤が治療効果を発揮することはよく知られているが,しかし,初期治療で有効であっても,再発を防止することには限界があることもまた指摘されている1)
 一方,プロスタグランディン(PG)は,生体のあらゆる臓器の細胞膜燐脂質からホスホリパーゼA2により遊離され,合成酵素の作用により,PGE2,PGI2ならびにTXA2などのプロスタノイドが合成される2,3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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