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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻4号

1986年04月発行

文献概要

今月の主題 消化器薬の使い方 炎症性腸疾患

炎症性腸疾患の薬物療法

著者: 小林世美1

所属機関: 1愛知県がんセンター・第1内科

ページ範囲:P.586 - P.589

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 炎症性腸疾患の薬物治療は,疾病を完全に治癒させるものではないが,症状を緩解させ,さらには肉眼所見や時には組織学的な改善をもたらすところまで疾病を抑えうる.しかしながら,ほとんどのケースで若干の組織学的病変は常に残存し,治療が打ち切られたり,何らかの要因が働くと,再燃,再発が起こりやすい.一方,上手に管理すれば,数年にわたって病気のコントロールが可能である.要するに,炎症性腸疾患は,薬物で治癒させられるものではなく,コントロールを目的として治療するのである.
 炎症性腸疾患の治療の目標は,①腸の炎症のコントロール,②合併症の予防,③家庭および社会生活に復帰させることなどである.これらを可能にするためには,言うまでもなく,治療にあたる医師は,炎症性腸疾患に対する興味と理解を示し,さらには治療の進歩に敏感でなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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