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文献概要
今月の主題 消化器薬の使い方 肝疾患
肝性腹水の治療薬の使い方
著者: 鳥居正男1
所属機関: 1前帝京大学医学部・第1内科
ページ範囲:P.611 - P.613
文献購入ページに移動 腹水は非代償性肝硬変症の代表的な症状であり,その出現は予後不良の徴候である.1952年以前の腹水出現後の肝硬変患者の1年生存率は30〜40%であったが,近年腹水の治療に関する進歩に伴い,1年生存率も50%以上と予後の向上がみられる1).肝硬変症の腹水の生成には種々の因子が関与しているが(図1),発生因子の主なものは門脈圧亢進,低アルブミン血症,肝リンパの漏出があげられる2).また,二次的因子として高アルドステロン症と,近位尿細管からのNa再吸収亢進が考えられている.肝硬変症の腹水出現患者の予後は腹水の生成の原因によっても異なり,黄疸・脳症を伴うような肝細胞障害が高度の場合は予後が悪く,腹水の原因が主に門脈圧亢進症による場合は比較的予後は良好である.
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