文献詳細
文献概要
今月の主題 消化器薬の使い方 便通異常
下痢と便秘の治療薬の使い方
著者: 河野実1
所属機関: 1横浜船員保険病院
ページ範囲:P.624 - P.627
文献購入ページに移動A.止痢剤の使い方
下痢はいうまでもなく人体の防御機構の一現象であって,ただ止めればよいというわけではない.逆にさらに下痢させて,体内有害物質を早く排除させたほうがよい場合も少なくない.抗菌剤の出現以前に,赤痢に対してまず窮利塩で下痢させたことは正しかったと思う.また,急激に止めて危険なことも少なからずある.潰瘍性大腸炎にアヘンチンキを用いてtoxic mega-colonを誘発するのも,その1例である.止痢剤の使用にあたってはその原因を究明することが先決問題であるが,これの選択にあたってはその作用機序を理解しておく必要がある.
下痢はいうまでもなく人体の防御機構の一現象であって,ただ止めればよいというわけではない.逆にさらに下痢させて,体内有害物質を早く排除させたほうがよい場合も少なくない.抗菌剤の出現以前に,赤痢に対してまず窮利塩で下痢させたことは正しかったと思う.また,急激に止めて危険なことも少なからずある.潰瘍性大腸炎にアヘンチンキを用いてtoxic mega-colonを誘発するのも,その1例である.止痢剤の使用にあたってはその原因を究明することが先決問題であるが,これの選択にあたってはその作用機序を理解しておく必要がある.
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