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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻5号

1986年05月発行

文献概要

今月の主題 水電解質と酸塩基平衡 水電解質の調節系概説

Ca代謝調節系

著者: 稲葉雅章1 森井浩世1

所属機関: 1大阪市立大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.760 - P.762

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 正常日本人成人では1日約10mg/kg体重のカルシウム(Ca)が経口にて摂取され,50%が体内に一旦吸収されるが,消化液中に再び分泌され最終的に経口摂取量の20%が吸収され,残り80%が便中に排泄される.腎では,糸球体において1日2g/kg体重ものCaが濾過されるが,尿細管においてその99.9%が再吸収され,最終的に体内に吸収されたと同量の2mg/kg体重/日のCaが尿中に排泄される.また,体内において細胞外液分画と主に骨との間でそれぞれ1日約2mg/kg体重のCaが平衡状態を保ちながらとりこみと放出を示す1)(図1).
 血清Caの正常値は約10mg/dlであるが,血中Caの生理作用はその約45%を占めるCaイオン(Ca++)に依存している.残り45%が血清蛋白と,10%がリン酸,クエン酸等の陰イオンと結合している2).最近,Ca電極により血清Ca++濃度が測定可能となったが,日常診療では血清総Ca濃度が測定されている.前述したように蛋白結合Caの存在のため,血清蛋白の濃度,組成に異常のある場合,蛋白濃度を以下の式3)により補正して考える必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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