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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻5号

1986年05月発行

文献概要

今月の主題 水電解質と酸塩基平衡 水電解質異常の病態生理

高Na血症

著者: 菱田明1

所属機関: 1浜松医科大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.764 - P.766

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 血清Na値は体内の水分量とNa量の相対比で決まるが,血清Na値の恒常性の維持は主に体内水分瞭の調節を介して行われる.すなわちNaバランスが負になるか水分バランスが正になって低Na血症に傾くと抗利尿ホルモン(ADH)の分泌が抑制され,その結果,水利尿をきたし体内水分量が減少し,血清Na値は上昇する.逆に,図1に示すように,水分の喪失,Naの過剰摂取により高Na血症に傾くときにはADHの分泌が亢進し,尿濃縮・尿量減少が起きる.一方,高Na血症は口渇中枢を刺激し,飲水量を増加させる.これら尿量減少と飲水量増加の両者により体内水分量は増加し,血清Na値は低下することになる.
 高Na血症が出現するには,1)こうした水分調節機序が障害された場合,または2)調節能力を超えた水分の喪失またはNaの負荷があった場合である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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