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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻5号

1986年05月発行

文献概要

今月の主題 水電解質と酸塩基平衡 酸塩基平衡の基礎と臨床—最近の話題

Anion Gap;その意義と解釈

著者: 深川雅史1 奥田俊洋1

所属機関: 1東京大学医学部・第4内科

ページ範囲:P.794 - P.795

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Anion Gap(以下AGと略す)の定義と意義
 血中には陽イオンと陰イオンが存在し,各々の総電荷数は等しい.図の(a)に示すごとく,Na+,Cl-,HCO3-はこれらイオンの大部分を占め,しかも臨床の現場で日常的に測定されている.この稿で扱うAGの定義としては,〔Na+〕-〔Cl-〕-〔HCO3-〕を用いる.このAGの変化を検討することの意義は,日常的に測定される〔Na+〕,〔Cl-〕,〔HCO3-〕の間の関係の変化から,この三者以外の測定されていない陽イオン(unmeasured cation:UC+)や陰イオン(unmeasured anion:UA-)の変化を知ろうとする試みであり,特に代謝性アシドーシスの分析に際し有用である.前述のごとく血中の陽イオンと陰イオンの電荷は等しいので,
 〔Na+〕+〔UC+〕=〔HCO3-〕+〔Cl-〕+〔UA-
これより
 〔AG〕=〔Na+〕-〔CI-〕-〔HCO3-〕=〔UA-〕-〔UC+
 すなわち〔AG〕が増加するのは相対的に〔UA-〕が増加するか,〔UC+〕が減少する場合であり,〔AG〕が減少する場合はその逆ということになるのが理解されよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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