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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻5号

1986年05月発行

今月の主題 水電解質と酸塩基平衡

水電解質代謝調節ホルモンの話題

アルドステロン

著者: 東原英二1 武内巧1 奴田原紀久雄1

所属機関: 1東京大学医学部・泌尿器科

ページ範囲:P.852 - P.854

文献概要

 ネフロンの電解質転送に及ぼすアルドステロンの作用は,①Na+再吸収の促進,②K+分泌の促進,③H+分泌の促進にある.図1に示すように,アルドステロンに対する高い親和性は皮質部集合管(Cortical collecting duct,CCD),髄質外層集合管(Outer medullary collecting duct,OMCD),髄質内層集合管(Inner medullary collectingduct,IMCD)にあることが示されている1).Na+の再吸収とK+の分泌能はCCDがOMCDより高く,H+の分泌能はCCDよりOMCDの方が高いことがin vitroの単離尿細管微小灌流実験で示されている.IMCDは微小灌流実験には適さないので,主としてin vivoの微小穿刺法で研究されているが,Na+の再吸収とH+分泌の容量はかなりあるが,Kについては生理的条件の差によって分泌も再吸収もあることが示されている.アルドステロンはCCDではNa+とK+の転送を2),OMCDとIMCDではH+分泌を調節支配するホルモンとして働いている3).アルドステロンのNa+-K+とH+に対する2つの調節作用は,ネフロンの異なった部位に区分されていることになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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