icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina23巻5号

1986年05月発行

文献概要

今月の主題 水電解質と酸塩基平衡 臨床の話題

Mineralocorticoid過剰症候群

著者: 竹田亮祐1 武田仁勇1

所属機関: 1金沢大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.872 - P.873

文献購入ページに移動
 ミネラロコルチコイド(mineralocorticoid)は,電解質代謝に大きな影響を及ぼす副腎皮質ホルモンで,特にアルドステロンは最も強力な作用を有する(図1).その他,作用はアルドステロンに比し弱いが,デオキシコルチコステロン(deoxycorticosterone,DOC)および18-ヒドロキシデオキシコルチコステロン(18-hydroxy-deoxycorticosterone,18-OH-DOC)がミネラロコルチコイドに属するとされている.このうち18-ヒドロキシコルチコステロン(18-hydroxycorticosterone,18-OHB)は,電解質作用は極めて弱く1)(図1),その意義は乏しい.
 ミネラロコルチコイドは,腎遠位尿細管に作用し,Na+-K+およびNa+-H+の交換を促進し,さらにNa交換を伴わないK排泄機構も刺激する.近位尿細管では,Naの再吸収を促進しCl及び水の再吸収を二次的に促す.その結果,細胞外液中のNaは増加し,Kは減少し,HCO3は増加し,Naは細胞内のKと交換する.また,Na再吸収とK排泄促進効果は,腎以外では,汗腺,唾液腺,小腸粘膜において行われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?