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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻5号

1986年05月発行

文献概要

今月の主題 水電解質と酸塩基平衡 臨床の話題

Mineralcorticoid欠乏症候群

著者: 飯野靖彦1

所属機関: 1東京医科歯科大学・腎センター

ページ範囲:P.874 - P.875

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病態生理
 Mineralcorticoid(aldosteroneなど)は主として腎尿細管(他に唾液腺,汗腺,腸管)に作用して,Na再吸収,H分泌,K分泌を促進する1).したがって,原因の如何にかかわらずmineralcorticoid作用が欠除している病態は,類似した病状を呈し,mineralcorticoid欠乏症候群として一括することができる.欠乏が生ずると,まずNaの腎からの喪失が生じ細胞外液量が減少する(図1).これは皮質部集合尿細管へのaldosterone作用の欠除によりNa再吸収がこの部位で低下するためである.症状としては低血圧,低Na血症を生ずる.さらに,aldosteroneは髄質部集合尿細管外層(outermedullary collecting duct)においてH分泌を刺激する作用があり2),欠乏状態では高Cl性代謝性アシドーシスを呈する.また,K分泌も減少し,K貯留により,高K血症となる.従って糸球体濾過量が高度に障害されていない状態(15ml/min以上)で,高K血症,代謝性アシドーシス,Na喪失を認めた場合には,mineralcorticoid欠乏症候群を疑う必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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