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今月の主題 体液・電解質補正の実際 輸液の基本的ルール
安全限界理論
著者: 佐藤登志郎1 竹内昭博1
所属機関: 1北里大学医学部・内科
ページ範囲:P.952 - P.953
文献購入ページに移動 輸液は体液の欠陥を補うと共に,経口摂取が不可能な場合に体液を維持する目的で行われる.このような条件下では正常な体液量とその組成は腎による体液調節によってのみ保たれるのであるから,水・電解質の許容量は腎調節能の限界内にあるべきことはもちろんである.このことは加藤ら1)によってTalbotの安全限界として紹介され,また阿部・古川2)らによって種々の病的な状態に拡張して論ぜられた.
この論理は定常状態における腎の水・溶質排泄の限界から導かれたものであるが,輸液を行うときには生体の過渡的な応答も考慮しなければならない.腎は体液の変化に直ちに反応しうるわけではなく,体液各相の一つである血液相に与えられた液体が,全体に配分され欠陥を補う間に生体に不利な状態が起こらないとは限らない.このことを考慮すると,輸液の速度の安全限界,さらに進んで最適な輸液注入のパターンの議論が導かれる3〜5).
この論理は定常状態における腎の水・溶質排泄の限界から導かれたものであるが,輸液を行うときには生体の過渡的な応答も考慮しなければならない.腎は体液の変化に直ちに反応しうるわけではなく,体液各相の一つである血液相に与えられた液体が,全体に配分され欠陥を補う間に生体に不利な状態が起こらないとは限らない.このことを考慮すると,輸液の速度の安全限界,さらに進んで最適な輸液注入のパターンの議論が導かれる3〜5).
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