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今月の主題 体液・電解質補正の実際 病態と輸液
肝不全時の輸液
著者: 高木俊和1 石井裕正1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部・内科
ページ範囲:P.984 - P.986
文献購入ページに移動 肝不全時と一言に表現しても,その原因は様々であり,経過もまちまちであるが,その転帰は,肝性脳症,肝腎症候群などの重篤な病態をきたし,その輸液管理には臨機応変の対応が要求される.
劇症肝炎に代表される急性肝不全は,広汎な肝細胞壊死をきたしたことにより,種々の肝機能(糖代謝,蛋白代謝,ビタミン代謝,ビリルビン代謝など)の低下により,高ビリルビン血症,出血傾向,腹水,肝性脳症,肝腎症候群,腎不全などの重篤な状態をきたす.しかし,この病態の場合,肝が再生され,肝機能が回復するまでの期間,維持療法を行えば救命しうることとなる.これに対して非代償期の肝硬変に代表される慢性肝不全の場合は,肝細胞が広汎に結合組織によって置換されており,肝細胞の再生による機能回復が困難であるため,いかに現在の肝機能を維持し,肝への負担を軽減するかが治療の原則となる.
劇症肝炎に代表される急性肝不全は,広汎な肝細胞壊死をきたしたことにより,種々の肝機能(糖代謝,蛋白代謝,ビタミン代謝,ビリルビン代謝など)の低下により,高ビリルビン血症,出血傾向,腹水,肝性脳症,肝腎症候群,腎不全などの重篤な状態をきたす.しかし,この病態の場合,肝が再生され,肝機能が回復するまでの期間,維持療法を行えば救命しうることとなる.これに対して非代償期の肝硬変に代表される慢性肝不全の場合は,肝細胞が広汎に結合組織によって置換されており,肝細胞の再生による機能回復が困難であるため,いかに現在の肝機能を維持し,肝への負担を軽減するかが治療の原則となる.
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