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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻6号

1986年06月発行

文献概要

講座 図解病態のしくみ 内分泌代謝疾患・6

甲状腺機能亢進症

著者: 斎藤公司1 山本邦宏1

所属機関: 1自治医科大学・内分泌代謝科

ページ範囲:P.1072 - P.1076

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 甲状腺疾患は日常診療でみられる内分泌疾患の中では最も多く,その中でも甲状腺機能亢進症(hyperthyroidism)または甲状腺中毒症(thyro・toxicosis)は良くみられるものである."甲状腺機能亢進症"は原因のいかんによらず甲状腺自体の機能亢進を意味しており,"甲状腺中毒症"は甲状腺自体の機能のいかんによらず,甲状腺ホルモン過剰による代謝亢進状態を意味している.しかし甲状腺機能亢進症または甲状腺中毒症のうちの大部分がグレーブス病(バセドウ病)であるため,これらの言葉はしばしば混同して用いられている.甲状腺中毒症の分類を表1に示す.このうちグレーブス病は最も高頻度にみられるのでその病因病態に関する知見について述べる.またグレーブス病の他に,甲状腺炎による甲状腺中毒症も日常診療においてしばしばみられるが,それぞれ甲状腺ホルモン過剰に関連した病態が異なる.前者は刺激性甲状腺中毒症,後者は破壊性甲状腺中毒症というべきものであり,これらの違いについても述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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