icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina23巻7号

1986年07月発行

文献概要

今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー 免疫からみた呼吸器感染症

ニューモシスチス・カリニー肺炎

著者: 岩田猛邦1 望月吉郎1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院・呼吸器内科

ページ範囲:P.1150 - P.1152

文献購入ページに移動
 Pneumocystis carinii肺炎は,Pneumocystis carinii(以下PC)という微生物によって起こる肺炎である.PCは現在のところ原虫の一種と考えられている.PCはヒトを含む哺乳動物の肺に潜在的に感染しているが,時には不顕性感染の形ではとどまらず,急に肺で増殖し重篤な肺炎をひき起こす.現在このPC肺炎は,悪性腫瘍,腎移植,膠原病などの免疫不全患者の日和見感染症の1つとして大きな問題となっている.近年,予防投与法が全国的に普及し,わが国における発症数は減少傾向を示している1)
 最近,後天性免疫不全症候群(AIDS)患者の肺感染症において,PC肺炎が圧倒的多数を占めることより再び注目を集めているが,AIDS合併症に関しては他稿にゆずることとして,本稿では自験例を中心にPC肺炎を概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?