文献詳細
今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー
アレルギー性肺疾患の診断
文献概要
気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage,BAL)とは,気管支ファイバースコープを亜〜亜々区域気管支に楔入し,側管から,注射器を用いて生理的食塩水50ml程度の注入回収を反復する,あるいは,サイフォンの原理を応用して100ml程度の注入回収を反復することによって,通常,200〜300mlの生理的食塩水にて対象領域を洗浄する方法である.BALによって,まず,末梢気道,肺胞腔内の細胞成分,液性成分が採取され,次いで肺胞間質内の成分が採取される(図).
Reynolds(1974)によって開発されたBALは,肺感染症における起炎菌の決定,あるいは悪性腫瘍細胞の検出手段として用いられてはいたものの,主たる目的とするところは,サルコイドーシス,過敏性肺臓炎(hypersensitivity pneumonitis,HP),特発性間質性肺炎(idiopathic pulmonary fibrosis,IPF)などを中心とするびまん性肺疾患の病態生理解明であった.しかし,最近になって,各疾患ごとのBALによって得られる液性成分,細胞成分に関する知見が増加してきたこと,また,モノクローナル抗体を用いてマクロファージ,リンパ球サブセット測定が可能になってきたことによって,BALの診断学的意義が高まってきた.
Reynolds(1974)によって開発されたBALは,肺感染症における起炎菌の決定,あるいは悪性腫瘍細胞の検出手段として用いられてはいたものの,主たる目的とするところは,サルコイドーシス,過敏性肺臓炎(hypersensitivity pneumonitis,HP),特発性間質性肺炎(idiopathic pulmonary fibrosis,IPF)などを中心とするびまん性肺疾患の病態生理解明であった.しかし,最近になって,各疾患ごとのBALによって得られる液性成分,細胞成分に関する知見が増加してきたこと,また,モノクローナル抗体を用いてマクロファージ,リンパ球サブセット測定が可能になってきたことによって,BALの診断学的意義が高まってきた.
掲載誌情報