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今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー アレルギー性肺疾患 Ⅰ型アレルギーを基盤とする疾患
気管支喘息
著者: 中沢次夫1
所属機関: 1群馬大学医療技術短期大学部
ページ範囲:P.1172 - P.1175
文献購入ページに移動 気管支喘息は,発作性の咳,喘鳴,呼吸困難をきたす疾患であり,①気道の広汎な狭窄,②その狭窄が可逆性であること(自然または治療により),③各種の刺激に対して気道の反応性が亢進していること(気道過敏性),と定義される.すなわち,気管支喘息は気道過敏性が基本的病因であり,これに可逆性気道狭窄という機能性変化が加わったものと考えられる.
気道狭窄は,①気管支平滑筋の攣縮,②気道炎症の結果としての気道粘膜の浮腫,腫脹,③粘液の過剰分泌による粘液栓,とで形成される.一方,このような気道狭窄をひき起こす因子としては,アレルゲンなどの特異刺激,および温度,気圧変化,匂い,運動などの非特異刺激がある.とくにアレルギー性因子は,多くの喘息患者で血中IgE値が高く,何らかのアレルゲンに対してIgE抗体を産生しやすいこと(アトピー),また既往歴や家族歴でアトピー性疾患を有することなどから,喘息病態発症に重要な役割を演じていることが想定される.したがって気管支喘息は,一種の免疫異常であるアレルギー性因子と,生理異常である気道過敏性との遺伝的関連性を併せもつ疾患としての観点から捉えられている.本稿では,気管支喘息のアレルギー的側面からみた病態生理について主に述べる.
気道狭窄は,①気管支平滑筋の攣縮,②気道炎症の結果としての気道粘膜の浮腫,腫脹,③粘液の過剰分泌による粘液栓,とで形成される.一方,このような気道狭窄をひき起こす因子としては,アレルゲンなどの特異刺激,および温度,気圧変化,匂い,運動などの非特異刺激がある.とくにアレルギー性因子は,多くの喘息患者で血中IgE値が高く,何らかのアレルゲンに対してIgE抗体を産生しやすいこと(アトピー),また既往歴や家族歴でアトピー性疾患を有することなどから,喘息病態発症に重要な役割を演じていることが想定される.したがって気管支喘息は,一種の免疫異常であるアレルギー性因子と,生理異常である気道過敏性との遺伝的関連性を併せもつ疾患としての観点から捉えられている.本稿では,気管支喘息のアレルギー的側面からみた病態生理について主に述べる.
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