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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻7号

1986年07月発行

文献概要

今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー 免疫反応の関与が考えられる呼吸器疾患

Wegener肉芽腫症

著者: 于潤江1

所属機関: 1中国医科大学・第一医院呼吸内科

ページ範囲:P.1206 - P.1207

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概念と定義
 Wegener肉芽腫症(WG)とは,全身の血管炎を伴う非特異性壊死性肉芽腫病変によって,主に上気道,肺を含む下気道,腎臓が侵される原因不明の進行性疾患である.本症は,Klinger(1931)により,化膿性鼻炎,関節症状を伴う尿毒症のため約1年の経過で死亡した症例が,結節性動脈周囲炎に類似した剖検例として報告されたのが最初である.続いてWegenerが,2度(1936,1939)にわたって,血管系および腎とともに上気道を主たる罹患部位とするのが特徴であると報告して以来,一般にWegener肉芽腫症と称されるようになったものである.Godman,Churg(1954)は,本症の病理学的特徴として3病変をあげて,本症を独立した疾患であると主張した.その3病変とは,①上気道,下気道(気管,気管支,肺)の壊死性肉芽腫,②全身性の壊死性血管炎,③糸球体腎炎,などである.
 Carrington,Liebow(1966)は,腎病変を伴わない肺と皮膚のみが侵された16例の本症を報告し,これを限局型WGと称し,WGには全身型と限局型の2つの臨床病型のあることを強調した.Fauci1)(1978)は,WGの病理組織学の基盤は血管炎であることを強調した.限局型WGは全身型より予後がよい.しかし,限局型のうち全身型に進展する症例も少なくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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