文献詳細
文献概要
今月の主題 内科医のための小児診療のコツ 思春期の異常
貧血(鉄欠乏性)
著者: 北原光夫1
所属機関: 1東京都済生会中央病院・内科
ページ範囲:P.1382 - P.1383
文献購入ページに移動 鉄欠乏の原因は何であるにせよ,もっとも多くみられる貧血は鉄欠乏によるものである.生理学的に鉄欠乏状態になる最初の時期は幼児期である.この時期には成長が速いわりに,鉄の摂取が限られている.また,思春期にも鉄欠乏状態になりうる.この時には成長が速く,食習慣上動物性ヘム鉄の摂取低下,月経開始による鉄の損失といった鉄欠乏の原因が存在する.成人の女性では月経に加え,妊娠,授乳の欠乏原因があげられる.常に女性は男性に比較して食物摂取が少なく,思春期・幼児期にも同様な傾向にある.従って,男性に比し鉄欠乏状態になりやすい.
成人の平均鉄保有量は5.0g/dodyであり,乳幼児の保有量は0.5g/bodyとなっている.つまり,成人になるまでに4.5gの鉄(0.8mg/day)を吸収しなければならず,鉄の生理的損失を考慮すると,15歳までに0.8-1.5mg/dayの鉄を吸収してゆく必要がある.このように特に出血をきたす疾患がなくても,鉄欠乏性貧血にはなりやすい.
成人の平均鉄保有量は5.0g/dodyであり,乳幼児の保有量は0.5g/bodyとなっている.つまり,成人になるまでに4.5gの鉄(0.8mg/day)を吸収しなければならず,鉄の生理的損失を考慮すると,15歳までに0.8-1.5mg/dayの鉄を吸収してゆく必要がある.このように特に出血をきたす疾患がなくても,鉄欠乏性貧血にはなりやすい.
掲載誌情報