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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻8号

1986年08月発行

文献概要

カラーグラフ 皮膚病変のみかたとらえ方

サルコイドーシスの皮膚病変

著者: 石川英一1 渡辺剛一1

所属機関: 1群馬大学医学部・皮膚科

ページ範囲:P.1400 - P.1401

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概念,臨床
 サルコイドーシスは2つ以上の臓器に亘ってみられる非乾酪性類上皮細胞肉芽腫をいい,主病変は肺,リンパ節,皮膚,眼,骨などに見られる.皮膚病変は,1)結節性紅斑,2)瘢痕浸潤,3)皮膚サルコイドに分けられる.結節性紅斑は皮下脂肪織の急性炎症で,種々の病因でおきる原則として非特異的な皮膚病変である.瘢痕浸潤はサルコイドーシスの活動期に皮膚瘢痕部が腫脹する病変をいう.皮膚サルコイドはサルコイドーシスそのものの皮膚病変を指す.皮膚サルコイドは臨床的に結節型,局面型,びまん浸潤型,皮下型,苔癬様型などに分けられる.皮膚症状は一般に亜急性の経過をとるサルコイドーシスに観察されることが多い.結節性紅斑,瘢痕浸潤は発病初期に出現し,比較的急性の経過を辿るのに対し,皮膚サルコイドは一般に肺病変よりも遅く出現,慢性,持続性の傾向がある.
 結節性紅斑:サルコイドーシスの発病初期に両側下腿に有痛性浮腫性の紅色結節が,発熱,関節痛とともに出現する.臨床的に他の原因で起きる結節性紅斑と鑑別が困難で,他臓器にサルコイドーシス病変が出現して初めて診断できることが多い.組織学的に皮下の炎症細胞に混在して,類上皮細胞肉芽腫の像をみる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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