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文献詳細

雑誌文献

medicina23巻9号

1986年09月発行

今月の主題 狭心症—各種治療手段の適応

新しい治療法の試み

ニトログリセリン点滴静注法

著者: 茅野真男1 大蔵幹彦2

所属機関: 1足利赤十字病院・循環器科 2足利赤十字病院・心臓血管外科

ページ範囲:P.1536 - P.1538

文献概要

 Nitroglycerin(以下NG)を始めとする亜硝酸剤は,内服後腸管吸収されると,門脈から肝臓にはいり,そこでほとんどが代謝を受けて非活性化する(first pass効果).狭心症発作の寛解のためにはfirst pass効果をうけない舌下投与で用いられるのが原則である.狭心症発作予防には,舌下投与による持続時間は短いため,大量内服か,first passを受けない経皮投与を必要とするとされている.しかし亜硝酸剤の大きなfirst pass効果を始めとする複雑な体内代謝,個人差の大きい皮膚吸収などの理由から,経口,経皮投与量と血中濃度は比例しない1).ここで述べる点滴静注法では,これらの問題が解決される.手術後で適当な時期に内服のできない患者,狭心症発作が頻発する患者,高齢者に多いが口腔粘膜乾燥で舌下錠が溶けず,発作寛解しない患者などでは,点滴静注法を試みる意義があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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