文献詳細
文献概要
今月の主題 糖尿病診療の現況 糖尿病の診断とコントロール基準
ヘモグロビンA1,A1cの臨床的意義
著者: 老籾宗忠1
所属機関: 1神戸大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.24 - P.25
文献購入ページに移動一方,生体におけるnonenzymatic glycosylationはHbA1の存在から注目されてきたのであるが,この反応はHbのみならず広く種々の蛋白と糖との間にも生ずる反応で,Maillard反応と称され,自然界に存在する普遍的な蛋白と糖との結合反応である.たとえば,蛋白食品を加熱調理するときに生ずる褐色調への色の変化は褐変現象ともいわれ,この反応の1つである.Hbのβ鎖N端valine,あるいはlysineのε-amino基などに糖が非酵素的に結合することによってglycosylationが成立し,Schiff base結合,さらにこれがAmadori転位してketoamineになる.このSchiff base結合のものまでは可逆反応であるが,Amadori転位するとほぼ不可逆性になる(図).
掲載誌情報