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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻1号

1987年01月発行

文献概要

今月の主題 糖尿病診療の現況 糖尿病の治療と患者指導

インスリン皮下持続注入療法(CSII)の適応と限界

著者: 難波光義1 垂井清一郎1

所属機関: 1大阪大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.44 - P.45

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CSIIの実際
 インスリン皮下持続注入療法(Continuous Subcutaneous Insulin Infusion:CSII)は,強化インスリン療法1)の1つとして人工膵島開発の過程で派生した新しいインスリン治療である.携帯型ポンプ(筆者らはニプロSP-3Rを使用)を用いて,中性速効型インスリンを腹壁皮下に刺入留置した翼付針を介して,持続的に注入する.はじめてCSIIを導入する際は,全例,教育をかねて入院のうえ行う.インスリンは,たとえばノボ・アクトラピッド・ヒューマン40Rを希釈することなく用いる.これは希釈操作の誤りや汚染を防ぎ,インスリン製剤そのものの安定性を損なわないためである.注入セットの交換は原則として入浴時に行うが,少なくとも48時間に1回は更新がのぞましい.
 1日注入インスリン量は,従来使用していたインスリン総量の70%を目安とする.その40〜50%を持続的な基礎注入量として,モータードライブで24時間かけて注入する(症例によっては,日中と夜間の注入速度が異なる場合もある).残り50〜60%は毎食前や軽食前に分割し,追加注入として手動操作で注入する.朝・昼・夕食に必要な注入量は症例によって異なるが,一般的には3:1:2のことが多い.導入当初は各食前後と眠前(必要があれば夜間も)の時点で血糖値を測定し,インスリン注入量の調整を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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