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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻10号

1987年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方 Ⅰ 感染症治療薬 中枢神経感染症

3.結核性髄膜炎における抗結核剤の使い方

著者: 萩原照久1 岡安大仁1

所属機関: 1日本大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.1752 - P.1753

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 結核症の減少にともない,結核性髄膜炎(本症)の発生率も減少してきているが,総結核症例数に占める本症の割合はけっして少なくなっていない.化学療法が未発達の時代にはすべて致死的であったものが,薬剤の開発に伴い,漸次改善されてはいるものの,現在でも死亡率は25〜35%とされている1).生存例においても,片麻痺や痙攣などの神経学的後遺症の残ることがあり,この点からも早期の治療開始が望まれる.
 本症の発病は緩徐であり,小児ではだるさ,食欲不振,なんとなく調子が悪い,などの不定症状で発症し,成人でも熱感,だるさ,傾眠傾向などで発症することが多く,このような状態が2〜3週間続き,その後,頭重感さらに頭痛を訴えるようになる.また時に38〜39℃台の高熱が持続することがあるが,項部硬直,Kernig徴候,Brudzinski徴候などは軽度であることが多い.このため前駆期には,感冒,気管支炎などと診断されることが多い.したがって,不定症状の持続,原因不明の持続性の高熱,ごくわずかでも髄膜刺激症状の存在が疑わしいなどの場合は,髄液検査を施行し,異常の有無の確認を行わなければ,本症の早期診断は不可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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