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増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方 Ⅰ 感染症治療薬 下気道感染症
9.院外感染の肺炎(グラム陰性桿菌)におけるセフェム剤(モノバクタムを含む)の使い方
著者: 斎藤厚1
所属機関: 1琉球大学医学部・第1内科
ページ範囲:P.1767 - P.1769
文献購入ページに移動 病院外で発生する,いわゆる院外肺炎(commu-nity acquired pneumonia)の起炎菌は前項で述べたように,グラム陽性球菌の頻度が高いが,いわゆる慢性気道感染症を有するもの,あるいは肺気腫など閉塞性肺疾患を有するもの,さらに高齢者,男性,喫煙者,大酒家,糖尿病などの基礎疾患を有するものや,何らかの理由で抗生剤を服用している人では,グラム陰性桿菌性肺炎がみられることがある.
これらの肺炎がまったく健康な人に発症することはまず考えられないが,上記の諸因子を複数で有するものはhigh risk groupと考えておく必要がある.発症は稀ではあるが,一旦発症すると臨床経過は速く,難治性であり,致命率が高いので,日常臨床に携わるものにとっては重要なものである1).
これらの肺炎がまったく健康な人に発症することはまず考えられないが,上記の諸因子を複数で有するものはhigh risk groupと考えておく必要がある.発症は稀ではあるが,一旦発症すると臨床経過は速く,難治性であり,致命率が高いので,日常臨床に携わるものにとっては重要なものである1).
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