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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻10号

1987年09月発行

増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方

Ⅰ 感染症治療薬 尿路感染症

22.尿路感染症におけるキノロン剤の使い方

著者: 出口修宏1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部・泌尿器科

ページ範囲:P.1794 - P.1795

文献概要

 ピリドンカルボン酸系(キノロン系)は,DNA合成阻害作用をもつ薬剤である.ナリジクス酸(1962年,ウイントマイロン®)は,グラム陰性桿菌のみに作用して,かつ,血中アルブミンとの結合率が高く,組織内への移行が少ないため,尿路感染症に主として使用されてきた。しかし,その後,グラム陽性のブドウ球菌に有効なピロミド酸(1972年,パナシッド®),緑膿菌に有効なピペミド酸(1976年,ドルコール®),ノルフロキサシン(1984年,バクシダー®),さらに広域スペクトルで抗菌力も強いオフロキサシン(1985年,タリビッド®),エノキサシン(1985年,フルマーク®)などが開発されてから,呼吸器系,消化管感染あるいは化膿症などに広く使用されるようになった.
 尿路感染症は,経過によって急性と慢性に分けられ,また治療面からみて,基礎疾患の有無により単純性と複雑性に大別される.複雑性に関しては,尿路通過障害,腫瘍,結石,異物,膀胱尿管逆流現象や全身性代謝性疾患などを合併している場合を指す.確実な診断としては,細菌の尿への混入を避けるため,正しい中間尿の取りかたを指導するか,カテーテルにて導尿することが肝要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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