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増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方 Ⅰ 感染症治療薬 皮膚・軟部組織・骨感染症
23.皮膚・軟部組織感染症の治療
著者: 北村啓次郎1
所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター・皮膚科
ページ範囲:P.1796 - P.1799
文献購入ページに移動 一般に皮膚・軟部組織感染症とは,細菌,真菌,ウイルスの感染によって生ずる皮膚病変をさし,疥癬虫やしらみなどの寄生性小動物,寄生虫,スピロヘータなどによる皮膚疾患は,皮膚感染症とは呼ばない.この中でウイルス感染症は治療法に特効的なものがなく,対症的に行われているのが現状である.また真菌感染症については,今回のテーマが,主として抗生物質を中心とした細菌感染症の治療と思われるので省略した.
皮膚感染症の治療も,その原則は他の領域の感染症の場合と同様であって,起炎菌の検索とそれに対する適切な化学療法(多くは抗生物質)の選択である.さらに皮膚という部位の性格上,局所療法つまり軟膏療法の併用が加味されよう.病巣の広範切除・切開排膿といった手術療法を行わざるを得ない場合もあるが,かかる事例は例外的といってよい.皮膚科における化学療法剤は内用・外用ともそれほど数が多いわけではないのに治癒への過程に差が生ずるのは,疾患の性状を正確に把握せぬままに治療されているからである.
皮膚感染症の治療も,その原則は他の領域の感染症の場合と同様であって,起炎菌の検索とそれに対する適切な化学療法(多くは抗生物質)の選択である.さらに皮膚という部位の性格上,局所療法つまり軟膏療法の併用が加味されよう.病巣の広範切除・切開排膿といった手術療法を行わざるを得ない場合もあるが,かかる事例は例外的といってよい.皮膚科における化学療法剤は内用・外用ともそれほど数が多いわけではないのに治癒への過程に差が生ずるのは,疾患の性状を正確に把握せぬままに治療されているからである.
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