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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻10号

1987年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方 Ⅰ 感染症治療薬 敗血症,一過性菌血症

25.敗血症が疑われたときの抗生物質の使い方

著者: 増田剛太1 水岡慶二2

所属機関: 1東京都立駒込病院・感染症科(成人科) 2東京都立駒込病院・臨床検査科

ページ範囲:P.1802 - P.1804

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敗血症の概念
 敗血症(Sepsis,Septicaemia)の概念は,時代,研究者により異なる.今日の本症に対する一般的な理解としては,①持続的あるいは間歇的な菌血症が証明され,②発熱,血圧低下,DICなどの激しい全身症状を伴い,③化膿性髄膜炎,肺炎,胆嚢炎,腎盂腎炎など臓器症状を有する疾患や,腸チフスなど特定の細菌感染症を除外した臨床的な疾患単位であり,④抗生剤などによる治療が行われない場合は,きわめて予後不良な疾患と考えられている.
 敗血症は重篤な感染症であり,特別な基礎疾患を有する宿主に発症する.すなわち,本症は,i)先天性心奇形やリウマチ性,梅毒性などによる後天性心弁膜障害を有する個体に成立して,主としてグラム陽性球菌(GPC)を原因菌とする群(感染性心内膜炎)と,ii)易感染宿主(Compromised host),とくに顆粒球減少を伴う宿主に発症し,きわめて急激な経過をたどる群とに2大別される.今日の臨床医学では,抗白血病剤,抗腫瘍剤や放射線照射などが広く応用されており,その結果,顆粒球減少宿主数は確実に増加している.このほか,副腎皮質ステロイド剤をはじめとする免疫抑制剤の使用も,宿主の細菌感染に対する感受性を高める.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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