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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻10号

1987年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方 Ⅳ 循環器疾患治療薬 不整脈

108.クラスⅠ抗不整脈薬の使い方

著者: 飯沼宏之1

所属機関: 1心臓血管研究所

ページ範囲:P.2012 - P.2014

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作用機序および細分類
 クラスⅠ抗不整脈薬(Vaughan Williams)は,興奮膜のNa-チャンネルをブロックすることにより,心筋組織の興奮伝導および刺激生成を抑制し,その結果不整脈の発生を抑える.すなわち不整脈の発生機序は,①リエントリー,②自動能亢進,③triggered activity,の3つが中心であるが,①に対してはその成立に必須の1方向性ブロックを2方向性ブロックに変えることにより,②に対しては細胞内陽イオンの増加を妨げることにより,③に対しては細胞内Naイオンの上昇を妨げ,かつ閾膜電位をシフトさせることにより,各々を抑制するからである.
 このNa-チャンネル抑制作用は,チャンネル内にあるリセプターと薬剤が結合し,チャンネルを閉塞することにより生じると考えられるが,このリセプター薬剤間の結合・解離はチャンネルの状態および薬剤の性質によって異なり,不活性〜静止状態における両者の解離度から,本群薬をA,B,Cの3群に分けることが最近流行している(表1)1).この分類は活動電位持続に対する作用に基づく以前の分類とほぼ重なり合うが,新しい薬剤の中には必ずしも一致しないものがあるようである.このような分類にしたがって新旧のI群抗不整脈薬を列挙すると表1のごとくであり,これらの用法・用量は表2に示すごとくである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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