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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻10号

1987年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方 Ⅳ 循環器疾患治療薬 血圧異常

117.βブロッカーの使い方

著者: 倉持衛夫1

所属機関: 1国立循環器病センター・内科

ページ範囲:P.2035 - P.2037

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 β遮断薬は,Prichard(1964)によって高血圧治療に有効と指摘されて以来,広く使用され,サイアザイド系利尿薬などと並んで第1に選択される降圧薬となっている.これまでに種々のβ遮断薬が開発され,それぞれの特徴を生かして使用されている.
 β遮断薬が好んで用いられる理由は,①降圧効果が穏やかである ②脂質,とくに中性脂肪を増加させ,HDLを低下させることがあるものの,サイアザイド利尿薬に比べて代謝面での悪影響が少ない ③レニン分泌を抑制する ④起立性低血圧の発生が少ない ⑤性機能障害が少ない ⑥徐脈性不整脈や房室ブロックを除く不整脈合併例,虚血性心疾患の合併例に対しては,合併症の治療効果も期待できる ⑦心筋梗塞の発生予防(とくに再発予防)に有効である ⑧高血圧性心肥大を改善させることが示唆されている ⑨妊娠中あるいは授乳中の婦人にも使用しやすいなどの利点があるためである.しかし,以下に述べる副作用など欠点もあるので,実際に高血圧の治療に用いる場合には適応を十分に考慮することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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