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増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方 Ⅳ 循環器疾患治療薬 血圧異常
118.利尿剤の使い方
著者: 平田恭信1
所属機関: 1東京大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.2038 - P.2039
文献購入ページに移動 利尿剤は,高血圧症の治療に第1選択薬として,最も頻繁に使用されてきた.しかし,近年の新薬の登場により,まずβブロッカーが利尿剤と第1選択薬としての地位を折半し(1984年米国合同委員会勧告),次いでアンジオテンシン変換酵素阻害剤あるいはカルシウム拮抗剤が初回治療に用いられ始め(Zanchettiの私案),その使用頻度は低下してきた.
さらに大規模な疫学調査で,降圧剤治療により血圧依存性の心血管障害である心肥大,大動脈瘤,脳出血などは確実に減少してきたが,動脈硬化性の血管障害である冠動脈疾患などは減少しておらず,この原因として,利尿剤などによって生じ得る代謝異常の影響が大きいことが指摘されている.
さらに大規模な疫学調査で,降圧剤治療により血圧依存性の心血管障害である心肥大,大動脈瘤,脳出血などは確実に減少してきたが,動脈硬化性の血管障害である冠動脈疾患などは減少しておらず,この原因として,利尿剤などによって生じ得る代謝異常の影響が大きいことが指摘されている.
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