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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻10号

1987年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方 Ⅴ 消化器疾患治療薬 消化性潰瘍および類縁疾患

125.消化性潰瘍治療薬の選択

著者: 岡崎幸紀1

所属機関: 1山口大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.2058 - P.2061

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薬物療法の比重
 消化性潰瘍の治療は,その成因論とともに変遷してきたといってよい1).近年では,SunとShayのバランス説が広く受け入れられ,治療法としては攻撃因子の抑制と防御因子の増強に力が注がれた.安静,食事療法,薬物療法が3原則とされ,とくに薬物療法は攻撃・防御両因子のバランスの是正が主となり,結果として多剤併用療法が主流となった.
 ところが,強力な酸分泌抑制薬であるヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)の登場により,これまでの治療法の概念は崩壊した.H2ブロッカーの単独投与で,従来の治療法にはるかに勝る消化性潰瘍の治癒が得られるようになり,しかも,入院と外来で治癒率の差がなくなり,食事もゆるやかな制限でよいことになった.薬物療法の比重がきわめて高くなったことになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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