文献詳細
文献概要
増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方 Ⅴ 消化器疾患治療薬 胆・膵疾患
148.慢性膵炎の薬物治療
著者: 渡辺伸一郎1
所属機関: 1東京女子医科大学・消化器内科
ページ範囲:P.2112 - P.2114
文献購入ページに移動 近年,食生活の欧米化やアルコール摂取量の増加から,わが国における慢性膵炎の患者は著しい増加傾向を示している.本症は,反復あるいは持続する炎症により,膵実質の脱落と線維化をきたす進行性・不可逆性の変化である.
本症の治療には,図1に示すように,その病期を代償期,移行期,非代償期の3つに分け,病態に適した治療を行う1).代償期では,腹痛の対症療法と急性再燃の予防が中心である.膵の線維化が進行して非代償期になると,疼痛はむしろ軽減し,膵内外分泌機能不全(消化吸収障害と膵性糖尿病)に対する補充療法が主体となる.
本症の治療には,図1に示すように,その病期を代償期,移行期,非代償期の3つに分け,病態に適した治療を行う1).代償期では,腹痛の対症療法と急性再燃の予防が中心である.膵の線維化が進行して非代償期になると,疼痛はむしろ軽減し,膵内外分泌機能不全(消化吸収障害と膵性糖尿病)に対する補充療法が主体となる.
掲載誌情報