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増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方 Ⅸ 免疫・アレルギー・膠原病治療薬 原因不明の全身疾患
215.サルコイドーシスの薬物治療
著者: 長井苑子1
所属機関: 1京都大学結核胸部疾患研究所・内科第2
ページ範囲:P.2282 - P.2283
文献購入ページに移動 サルコイドーシスは,原因不明の全身性の類上皮細胞肉芽腫形成性疾患であり,主な罹患部位は,肺(95%),眼(30〜40%),心臓(5〜10%),皮膚(5〜10%)である.病変成立機序としては,原因不明のagentによってマクロファージ,Tリンパ球が活性化され,それらが産生するサイトカインによって,さらに局所へ単球,Tリンパ球が集積し,また局所でのマクロファージ,Tリンパ球の増殖が加わることによってmacro-phage-T lymphocyte alveolitisが成立する.この炎症は,autostimulatoryにマクロファージの活性化,分化を促し,類上皮細胞の出現さらには類上皮細胞肉芽腫の形成を促すことになる.病変の70〜80%は自然消退するが,一部は線維化病変(post granulomatousfibrosis)へと移行する.
本稿では,肺サルコイドーシスを主に述べるが,線維化病変への移行が,肺の正常構築の乱れをもたらし,機能障害を招来する.線維化を招来する頻度は,欧米の白人では5〜10%,黒人では20〜25%と報告されているが,自験例では3%程度であった.
本稿では,肺サルコイドーシスを主に述べるが,線維化病変への移行が,肺の正常構築の乱れをもたらし,機能障害を招来する.線維化を招来する頻度は,欧米の白人では5〜10%,黒人では20〜25%と報告されているが,自験例では3%程度であった.
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