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今月の主題 虚血性心疾患の最前線 心筋壊死の診断はどこまで可能か
心電図法
著者: 松下哲1
所属機関: 1東京都多摩老人医療センター・循環器科
ページ範囲:P.2330 - P.2331
文献購入ページに移動心筋梗塞の心電図による診断率
心筋梗塞の心電図のみによる診断率は,連続剖検例で5〜6割である.これは陳旧性梗塞を含めた数字であるが,表1のごとく剖検例で確かめられた急性心筋梗塞をとっても,典型的心電図変化をきたすものは60%であり,Q波の出現が一過性であったり,ST,T変化のみのもの,また梗塞部位不一致,また虚血性ST,T変化が存在し,新たな心電図変化のないものや左脚ブロック,右室ペーシング,WPW症候群があって,心電図からは心筋梗塞の診断の困難なことがある1).
心電図診断においては,時間の軸上に複数の心電図をみることが情報の量,質を充実させ,発作の前後の心電図の比較,発作後の経過をみることが診断の向上をきたす.伝導障害があっても,発作の疑われる前後でST,Tの変化の質的,量的差があれば梗塞の疑いがおける.
心筋梗塞の心電図のみによる診断率は,連続剖検例で5〜6割である.これは陳旧性梗塞を含めた数字であるが,表1のごとく剖検例で確かめられた急性心筋梗塞をとっても,典型的心電図変化をきたすものは60%であり,Q波の出現が一過性であったり,ST,T変化のみのもの,また梗塞部位不一致,また虚血性ST,T変化が存在し,新たな心電図変化のないものや左脚ブロック,右室ペーシング,WPW症候群があって,心電図からは心筋梗塞の診断の困難なことがある1).
心電図診断においては,時間の軸上に複数の心電図をみることが情報の量,質を充実させ,発作の前後の心電図の比較,発作後の経過をみることが診断の向上をきたす.伝導障害があっても,発作の疑われる前後でST,Tの変化の質的,量的差があれば梗塞の疑いがおける.
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