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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻11号

1987年10月発行

文献概要

今月の主題 虚血性心疾患の最前線 トピックス

reperfusion injury

著者: 片桐敬1 望月衛1 梅津一彦1

所属機関: 1昭和大学医学部・第3内科

ページ範囲:P.2402 - P.2403

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 近年,急性心筋梗塞や不安定狭心症の発症早期に冠動脈造影を行い,閉塞部位に選択的にウロキナーゼやtissue plasminogen activator(TPA)を動注して血栓を溶解(intracoronary thrombolysis;ICT)1)し,また経皮的冠動脈形成術(percutaneous transluminalcoronary angioplasty;PTCA)によって狭窄冠動脈の拡張を行う,冠血流再開術が臨床的に現実的になった.再還流により梗塞発症の抑制,梗塞サイズの縮小が可能であり,予後の改善が期待できる.
 一方,梗塞早期の冠血流再開の研究は,以前から動物実験的に有効時間,適応などが研究され,再還流に伴って,いまだに生存している虚血傷害心筋細胞の壊死の促進,梗塞巣内出血など,かえって悪化させてしまうことが報告され,「reperfusion injury;再還流傷害」として定義された2).ICTやPTCAなどに伴い,臨床的にもreperfusion injuryは重要視されている.また,再還流に際して心室頻拍(VT)や心室細動(VF)などの重症不整脈が高頻度にみられ,厳密にはreper-fusion injuryには入らないが,無視できないものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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