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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻12号

1987年11月発行

文献概要

今月の主題 脳卒中up-to-date 脳卒中におけるcontroversy

脳出血急性期の高血圧をどうするか—積極的降圧の立場から

著者: 児玉南海雄1 藤田隆史1 渡部洋一1

所属機関: 1福島県立医科大学・脳神経外科

ページ範囲:P.2560 - P.2560

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 高血圧性脳出血は長期にわたる高血圧症の結果,脳実質内を走行する細動脈に血管壊死を来し,それに起因して発生した小動脈瘤が破裂し発症するといわれている4).出血によって破壊されてしまった脳実質は決して元に戻ることはないので,治療はそれ以上悪化させないための治療と言っても過言ではない.患者の状態がさらに悪化する主たる原因としては,血腫の増大(再出血)と血腫周囲脳組織の二次的変性の2つが挙げられる.前者の血腫増大の予防に,われわれは血圧を下降させることをroutineに施行している.
 脳出血急性期においては血腫による頭蓋内圧亢進のために血圧が反応性に上昇し,かつ従来の高血圧も存在するため,大部分の症例において収縮期血圧は200mmHgを越えていることが多い.多くの臨床家はこれをautoregulationの観点から180mmHg程度に降下しているが1,3,5),われわれは100〜120 mmHg程度まで下げている.この際,最もよく使用している薬剤は,自律神経節遮断剤であるtrimetaphanとCa拮抗剤であるnifedipineである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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