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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻12号

1987年11月発行

今月の主題 脳卒中up-to-date

脳卒中におけるcontroversy

くも膜下出血後の脳動脈瘤手術時期—コメント

著者: 北村勝俊1

所属機関: 1九州大学医学部・脳神経病研究施設外科

ページ範囲:P.2566 - P.2567

文献概要

 破裂脳動脈瘤の早期手術は死亡率が高く,待機手術では再破裂の機会が増してくる.先年行われた破裂脳動脈瘤の手術時期に関する国際共同研究での,わが国参加12施設での発症3日以内の手術率は,97〜13%と開きがある.患者の背景が違うので,直接比べられないが,両者の最終成績にあまり差はない.直接手術に関わった外科医の印象では,早期手術で特に技術的困難が大きいということはなさそうである.手術待機中に再出血を防止する試みは,出血防止には少しは役立つが,逆に梗塞の機会を増やすようなデータもあり,多くを期待することはできない.大勢としては早期手術を志向しつつ,その中で成績の向上を目指しているわが国脳神経外科医の成績は全世界の平均的レベルよりもややよい.手術手技,患者管理をレベルアップし早期手術の死亡率を下げることができれば,原則的には早期手術が有利といえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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