icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina24巻13号

1987年12月発行

文献概要

講座 内科診療における心身医学的アプローチ

代謝・栄養障害をもつ患者(2)—糖尿病,肥満

著者: 山内祐一1

所属機関: 1東北労災病院・心療内科

ページ範囲:P.2802 - P.2808

文献購入ページに移動
 糖尿病や肥満は人の食行動とかかわりの深い病態である.しかもさまざまな代謝,内分泌系の変動を招くので,身体医学的にも興味がつきない領域である.しかし,健康科学の立場からは,もっと重要な問題を内蔵する疾患群といえる.何故なら,糖尿病にせよ肥満にせよ,それ自体が直接死に関与することはほとんどなく,問題はこれらが招く合併症だからである.たとえば動脈硬化,高血圧,心・腎・肝疾患,脳血管障害など,いわゆる成人病と直結してくる.したがって,予防医学的な視点でも捉えるべき病態である.同時に,食の病理を考えるうえで不可欠な人の心理,行動,健康教育なども介入せざるを得ない.そして,これらを体系化して実践科学として結実させていく必要がある.それ故に,最近の医療学に幅広く取り入れられつつある行動科学の知識とその応用が大切になってくる1).筆者はこうした立場から日常臨床にたずさわっているつもりであるが,ここでは,糖尿病と肥満の自験例をとりあげながら心身医学的アプローチの成果を紹介してみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら