文献詳細
今月の主題 甲状腺疾患—up-to-date
甲状腺炎
文献概要
急性化膿性甲状腺炎は,文字通り化膿菌によって起こる甲状腺の急性炎症である.本症はBauchet(1857年)による5例の報告をもって嚆矢とする古くから知られた疾患である.従来,本症は,きわめて稀な疾患と考えられ,甲状腺の専門書にさえ十分な記載のないことが多かった.しかし最近になって,本症の感染経路の1つとして先天性の頸部機構異常の関与が確認され,この疾患が改めて注目されるようになった.そのつもりになってみるとこれは,それほど稀な疾患ではなく,甲状腺疾患の1つとして病態を是非知っておく必要がある.
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