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文献詳細

雑誌文献

medicina24巻3号

1987年03月発行

文献概要

今月の主題 甲状腺疾患—up-to-date トピックス

euthyroid sick syndrome

著者: 葛谷信明1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系・内科

ページ範囲:P.456 - P.457

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 euthyroid sick syndromeというあまり聞き慣れない症候群だと感じる読者の方があるかもしれない.本症候群はlow T3 syndromeとも呼ばれ,種々の全身性疾患やカロリー制限,手術後またはある種の薬剤投与を受けている患者に見られ,血中T3濃度の低下を特徴的にきたす病態を指している1).本症候群の血中甲状腺ホルモン濃度の変動は,甲状腺のprimaryな異常によるホルモン分泌異常によるものではなく,末梢臓器における甲状腺ホルモンの代謝が変動することが主な原因である.このような甲状腺ホルモンの代謝の変化は病的状態に対してエネルギー消費を防ぎ,異化を抑えるための適応現象であろうと解釈されている.そして,血中濃度の低下にもかかわらず.末梢組織における甲状腺ホルモン作用は正常に保たれていると考えられているので,euthyroid sick syndromeと名づけられている.本症候群の末梢組織がeuthyroidかどうかについては現在もhotな議論のあるところであるが,本稿ではeuthyroid sick syndromeの病態生理,鑑別診断,治療を中心に解説したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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