icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina24巻4号

1987年04月発行

講座 図解病態のしくみ 内分泌代謝疾患・14

高脂血症

著者: 松田文子1 葛谷健1

所属機関: 1自治医科大学・内分泌代謝科

ページ範囲:P.718 - P.726

文献概要

 生体は食物から脂肪を消化吸収してエネルギー源とする.脂質は身体の構成素材とくに細胞膜の構成成分としても必須の物質である.ステロイドホルモンは脂質の一つであるコレステロールを素材として合成される.胆汁酸も同様である.燐脂質は細胞膜の構成成分として重要であるのみならず,細胞内のシグナル伝達機構をも担っていることがわかってきた.脂質は外から供給される外因性のもののみならず生体内でも一部合成される.脂質は単体では溶けにくいため,血漿内で運搬されるにはタンパクと結合し,溶けやすい形をとる必要がある.遊離脂肪酸はアルブミンと結合するが,コレステロールや中性脂肪(トリグリセリド),燐脂質はアポタンパクと複合体を形成し,リポタンパクとなり血液中を運搬される.高脂血症はこれらの脂質の供給,運搬,異化の過程に異常が起こり,血漿中の脂質のいずれかが増加したりバランスがくずれた状態である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら